第364号 2014.9.29 社会基盤メンテナンスエキスパート(ME)養成講座への期待
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愛媛大学 防災情報研究センター
防災情報研究センターニュース
第364号 2014.9.29
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○今回のコンテンツ
<ご案内>社会基盤メンテナンスエキスパート(ME)養成講座への期待
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○<ご案内>社会基盤メンテナンスエキスパート(ME)養成講座への期待
愛媛大学防災情報研究センターが、先般配信しましたME「募集要項」には、本講座の
目的、意義、概要について示しております。今回は、我が国の社会背景から、この講座
に期待することを述べさせていただきます。
我が国では、1992年の平成4年版「国民生活白書」で“少子化”という言葉が使われて
以来、 “実りある長寿社会にむけて”(同白書平成6年版)など、“少子化”と“高齢
化”が広く一連のものとして語られるところとなりました。さらに、社会基盤整備に関
わる建設・土木技術者の世界でも、世相を反映した“少子高齢化”、“安心・安全”、
“持続可能な開発”、“循環型社会”、および“技術の継承”など、さまざまな言葉が
使われてきました。これらはいずれも“団塊世代”の高齢化・労働力の減少問題、社会
の成熟化に関連してきます。社会資本の老朽化は、奇しくも人材の“老齢化”と同じよ
うに扱うことができ、『社会基盤メンテナンス』の問題は、まさに “実りある長寿社
会にむけて”につながってきます。問題点を言葉で表すだけでは済まされなくなりまし
た。
そこで、より実践的なものとして、本講座ではアセットマネジメントの考えを基本に
おいて、各社会基盤のメンテナンスの技術者を養成します。カリキュラムは大きく二つ
の構成になります。一つは、コアカリキュラムによる広く社会基盤のメンテナンスに関
して通観できる講義群、もう一つは、ローカルカリキュラムによる「南海トラフ地震」
問題も視野に入れた地域活性化に役立つ講義群です。これらには、演習・フィールドワ
ークが含まれます。
上述しました、言葉の数々には改善すべき問題を含んでおり、さまざまな角度から検
討・研究されているのも周知のことです。これら言葉に表された現状に対して、どのよ
うに対処していくか、そして継続していくかは、早急に問われる課題となりました。構
造物の劣化の問題、高齢化社会の問題を考えると、社会基盤メンテナンスエキスパート
(ME)を育てる機会は今を置いてありません。このように危機意識を持ちつつ、MEの活
躍により地域の創生はもとより、我が国が実りある長寿社会を迎えられることを期待し
ます。
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[2014年09月30日]