序文
文部科学省 平成26~28年度「成長分野等における中核的専門人材養成等の戦略的推進事業」から続く平成29年度「専修学校による地域産業中核的人材養成事業」による「地域ニーズに応えるインフラ再生技術者育成のためのカリキュラム設計」が平成29本年度をもって終了した。その報告書の刊行に漕ぎつけることができ,関係各位に心より感謝申し上げる次第である。
本年度は31名が認定試験に合格し,四国MEは総勢97名となって目標(200名)の約半数に達した。ME講座は平成28年度から愛媛大学の「履修証明プログラム」となり,また文部科学省の「職業実践力育成プログラム(BP:Brush up Program)」に認定されている。またプログラム修了生に付与される“四国ME”の資格は,平成29年2月に四国に本拠を置く機関・団体では初めて国土交通省の規定を満たす「公共工事に関する調査及び設計等の品質確保に資する技術者資格」(民間資格)に認定された。
このように昨年度までに資格制度に関わる整備が進み,本年度はその俎上においてME養成講座のカリキュラムをより充実させることに力を注いだ。この成果については,受講前後のアンケート調査(維持管理に関する意識調査)と本年度新たに導入した受講前後の実力診断試験より,各々の意識と基礎力の大きな伸びを確認することができた。一方,講座の受講方法についても“シリーズ受講”,“オープン聴講”,“サテライト聴講”を試行し,インフラメンテナンスに関わる技術者がより受講しやすい体制とするための検討も進めた。
今後の運営はまさに地域の手に委ねられることになるが,社会インフラの安全性と信頼性の向上および維持管理コストの縮減のためは,地域の産官学が引き続き連携・協力して技術者のレベル向上を図っていく必要がある。これまでの関係各位のご尽力に感謝申し上げるとともに,今後もご支援を申し上げる次第である。
平成30年2月
愛媛大学防災情報研究センター長 森脇 亮