自然災害に対する科学技術的観点からの防災研究から行政の地域防災計画やリスクマネジメントへの協力と支援をおこなっております。

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第412号 2016.4.13 退任挨拶 元・防災情報研究センター副センター長 竹田正彦/着任挨拶 防災情報研究センター助教 小野悠

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愛媛大学 防災情報研究センター

        防災情報研究センターニュース

                    第412号 2016.4.13

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○今回のコンテンツ
<ご挨拶>退任挨拶 元・防災情報研究センター副センター長 竹田 正彦
<ご挨拶>着任挨拶 防災情報研究センター助教       小野 悠            
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○<ご挨拶>退任挨拶 元・防災情報研究センター副センター長 竹田 正彦

 愛媛大学の3年間を振り返って

 この4月の異動で国土交通省に復帰することとなりました竹田です。愛媛大学では、防
災情報研究センターの副センター長として25年4月から3年間をお世話になりました。
 大学での生活について、国土交通省では河川系の防災業務に携わっていたこと、滋賀県、
岡山県の自治体にそれぞれ出向していた経験が役に立ち、地域の防災力向上に向けて自治
体職員や地域住民の皆様と違和感なく接することが出来たように思っています。防災は行
政の適確な備えと住民の災害に対する意識と適切な行動によって初めて実現できるものだ
と考えています。センターの活動は、大学として、この行政と地域の取り組みを支える重
要な役割を担っていたと実感しています。
 その中でも、愛媛大学に来て驚いたことは、大学教員の信頼が厚いと言うことです。行
政の職員として地域の発展に貢献しようと努力してきましたが、住民の方の反応には差が
あり、思うように思いが伝わらない場面もありました。愛媛大学では、講演や講習会など
で様々な方とお会いする機会がありましたが、皆様一様に話を熱心に聞いて頂くことがで
き、立場の違いがこれほどに大きなものかと驚くばかりでした。一方でその信頼に応える
ための姿勢も重要で、経験だけでは足りない部分を補う努力も怠ることは許されませんで
した。
 防災の取り組みは、災害が起きなければ何ら効果を発揮することがなく、その意味で報
われない虚しいものかもしれません。それ故に必要性を実感することが難しく、その重要
性を伝えることがいかに難しいかと言うことも3年間で思い知らされた気がします。しか
し、災害は一度起これば取り返しのつかない犠牲を払うことになるのも事実であり、この
あたりのバランスの難しさを如何にして伝えればよいのかは国土交通省に戻った今後も大
きな研究課題として残ったように思います。
 国土交通省での業務は、政策評価という日々の業務が適切に実施されているかを点検す
るものです。政策を実施するもの自らが点検し評価すると言うこととなっています。しか
し、自分はきちんと専門家として業務を実施していると言う職員に対して、「評価」と言
う言葉で何が伝えられるのかは、難しい課題になりそうです。一方で、「防災」と言う専
門の無い専門分野で3年間を過ごしてきた自分にはピッタリの職務だとも思っています。
大学での出会い、経験を活かして今後の重責を全うして行きたいと思いを新たにしています。
 最後に、3年間をお世話になった愛媛大学、防災情報研究センター、社会連携推進機構、
環境建設工学科の皆様、そして、防災をきっかけにお世話になった関係の皆様に感謝を申
し上げて、退任のご挨拶とさせて頂きます。本当に、3年間の貴重な経験を支えて頂きま
して、ありがとうございました。

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○<ご挨拶>着任挨拶 防災情報研究センター助教     小野 悠

 皆様、はじめまして。
 4月1日付けで防災情報研究センター・アーバンデザイン研究部門助教に着任しました
小野悠(はるか)です。
 この度初めて松山に住むことになりましたが、まちに人が溢れて活気があり、必要なも
のが歩いていける場所に揃っていて住みやすく、すぐに好きになりました。また洗練され
たおしゃれな店舗が多く、創造的な人や活動が育まれる土壌があるのかなあと考えながら
まち歩きをするのが大切な時間になっています。
 この3月に東京大学大学院工学系研究科の博士課程を修了しました。高校卒業以来13
年間も学生をしていましたが、その間に世界中を旅したことが自分の原点になっています。
訪れたアフリカ各国の都市部の実情に衝撃を受け、卒業研究以来一貫してアフリカ都市の
研究を行ってきました。急激な人口増加と都市化が進むアフリカでは都市人口の約7割が
都市計画制度の枠外で形成されたインフォーマル市街地に住んでいます。インフォーマル
市街地は一般的にはスラムとして知られていますが、これはアフリカ都市の大部分が住民
の手でつくられていることを意味します。実際にそのような手づくりのまちに住んで住民
から話を聞き、まちの歴史や自治の仕組み、まちづくりを行う上での規範やルールを明ら
かにすることで、将来的に住民を中心としつつも行政や民間がうまく関わることでよりよ
いまちに育てていくことはできないかということを考えてきました。
 松山のまちづくりにおいても、人々が育んできた文化や歴史、空間などを尊重しながら
も、行政や企業と連携して、地域の人たちが誇りに思えるようなまち、地域外の人々が魅
力に感じるようなまちの実現に貢献できればと思います。どうぞよろしくお願いします。

 
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[2016年04月13日]

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